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香肌文庫 第46回 腰痛について 

鍼灸院に来院される方でも特に多い症状が腰痛です。突然激しい痛みが起こる急性腰痛(キックリ腰)や長期にわたって鈍い痛みが続く慢性腰痛があります。一般に腰痛と言えば腰椎に異常をきたすものや過労による筋肉の緊張など骨や筋肉にのみ原因があると思われがちです。しかし、現代人の腰痛は多くがレントゲンでも異常がなく、触っても筋肉が固くなっているどころかむしろ弾力がなくブヨブヨしています。
原因として考えられることは、運動不足、長時間同姿勢でいるための循環障害、冷飲食の習慣、精の酷使などがあげられます。いくつか列記しましたが、これら全て結論は冷え、体温低下と言えるのです。

まず運動不足ですが、我々の体温維持は心臓のポンプ運動や他の臓器の蠕動運動だけでなく、骨・筋を使った全身運動も必須条件と言えます。このため運動不足や座りっぱなしの仕事だと血液循環が悪くなり、冷えの原因となります。日頃の適度な運動は筋肉を鍛えるということよりも血液循環を高めて体温を上げることに意味があるのです。
次に冷飲食についてですが、胃腸の冷えから来ている場合は常に腰が重だるく、ベルトラインあたりを触ると弾力がありません。大便も軟便傾向にあります。
体を冷やす飲食物については第29回冷えについてを御参照下さい。
次は精の酷使についてですが、最近は草食系男子などと呼ばれ、精力旺盛な男子は少なくなり、現代病とは言えないかもしれません。しかし性的欲求を満たす手段が氾濫している世の中であり、夢中になりすぎて体調を崩す人もいると思われます。精の酷使は腎機能の低下を起こし冷えにつながります。腎と冷えについては第44回不妊症についてでも述べました。また、腰は腎が司る代表的な部分です。
最後に脊椎の変形についてですが、椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などと診断された方は、もう一生治らないなどと絶望的になる人がいます。しかし、単に変形による神経の圧迫という物理刺激だけでは痛みは起きないようです。やはりそこには二次的な冷えや血液循環の悪化があります。 以前からヘルニアによる腰痛で悩んでいたある長距離ドライバーの方は、仕事のない日は努めてウォーキングするようにしたところ、自分でも驚くほど痛みが改善したとのことです。歩行により血液循環が良くなり冷えが解消されたものと思われます。ちなみにこの方は某病院で「休みの日はなるべく動かないで安静にしていなさい」と言われたそうです。お年寄りの方でもレントゲンを撮ると誰しもが加齢によりだいぶ変形してますと言われますが、それでも特に痛みを感じず、元気に動いている方もたくさん見えます。腰椎の変形がある人は確かに腰が弱点とは言えますが、冷えに気を付けて不摂生をしなければ何ら変わることなく生活できます。決して不治の病などと悲観的になる必要はありません。

第46回香肌文庫 2009.8.1

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