0598-31-1809受付時間:AM9:00〜PM6:00 
休診日:木曜・日曜・祝日

香肌文庫 第209回 五行の話③火性と水性

五行の話最後は火性と水性です。前回説明した木性の延長が火性、金性の延長が水性です。※木性と金性
木性は伸長作用でしたが、火性はそこからさらに進んだ開大作用になります。枝葉がグングン伸びていき最後にパッと花が開いた姿、温度が極限まで上昇して発火した姿です。季節では夏、一日では昼に相当し、火、花、赤色、表現、照明、装飾など周囲を明るくし、全てを照らし出す働きが火性です。一方、水性の働きは金性の収斂作用がさらに進んで固まった姿で、凝結作用です。季節では冬、一日では夜に相当し、水、種、黒色、暗所、隠蔽、下着など内部の隠れた働き、内に閉じ込める働きです。

五臓では火性が心臓、水性が腎臓に相当します。そのため心臓の働きが強い人は炎の形の人相になるため頭頂部が尖っています。熱で上部が焦げるため頭頂部がハゲやすくなります。性格も火や照明の働きを持つため思ったことは全て明るみにします。内緒話は要注意です。
一方、腎臓の働きが強い人は水の形になるため水滴のように下膨れの人相となります。闇に包み込む夜の働きをするため内緒話しも口外しません。悪事をして逃げ込めばかくまってくれます。頭頂部のハゲた方の所へ逃げ込んだ場合は終わりです。警察に突き出されます。
五行それぞれの性質は五臓の強さ以外にも生年月日による九星や十二支での五行含有率、遺伝、生後の環境などでも形成されます。ここでは詳しい説明はできませんが、例えば午年生まれは火性、子年生まれは水性の要素が入ってきます。

人間は知性と情性で生きているのですが、「知」は火性、「情」は水性の働きとなります。正直で公明正大な人物というものは案外情が薄く、情が深い人ほど隠し事や悪事に加担してしまうということが分かります。優しそうな政治家を選ぶと失敗しやすいのはこのためです。情があるため懇意にしてくる身内を贔屓してしまい、場合によっては悪事も隠ぺいしてしまいます。情というものは多分にプライベートな感情だからです。反対に情が薄そうで冷たく感じる人はいつ何時もフェアです。

太陽の塔を作った岡本太郎の「芸術は爆発だ!」という言葉はその通りで、芸術は火性なので発火によって生まれます。直感、閃きです。そのため火性タイプの人は感性で生きる天才型です。一方の水性タイプは物事を深く考える思考型です。ちなみにお笑い御三家のビートたけしと明石家さんまは火性生まれ、タモリは水性生まれですが、なるほどと思います。
私は鍼灸師になって最初に勤めた治療院の院長が火性タイプでした。人気があってTVにも度々出る先生でしたが、弟子への教育は「よく見とけ!」だけでした。結局私を育ててくれた師匠は水性でした。センスが良く物分かりの早い者は火性の師匠で伸びるのですが、私は阿呆なので水性の師匠に出会えて救われました。
火は上へ上へ炎上します。そのため火性タイプの先生は優秀で出来の良い者に目を向けてしまうのです。物分かりの遅い者、鈍感な者、みすぼらしい者を毛嫌いします。これは火性である以上仕方のないことです。一方水は下へ下へと流れて行きます。そのため水性タイプの先生は阿呆や可哀そうな者に目を向けてくれます。情けは水なので上には行かず、下へ下へと流れるのです。ただ、情けは人から受けるには有難いものですが、自身が持てば上りである出世や名誉の妨げとなる厄介ものでもあります。

以上三回にわたって五行の話をしてきました。これまでの説明を図示すれば下のようになります。
五行は自然のからくりであり、これに当てはまらないものはありません。


第209回香肌文庫 2023.7.1

営業日カレンダー

× ×

お問い合わせフォーム

鍼灸専門カササギ堂

〒515-0073
三重県松阪市殿町1540-37
TEL 0598-31-1809