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香肌文庫 第186回 本音と建前

人の性質というものは陰と陽で出来ています。ですから完全な善人、悪人という者は存在しません。
犯罪者を知る人のインタビューを観ていても「信じられません…」「親切な人でした」といった内容ばかりです。人は概ね表面と中身が反対になっています。表面がウソで中身が真の姿ではなく、両方ともその人の本当の姿です。本音だけで付き合えるのが理想の人間関係と考えてしまいますが、これには注意が必要です。
本音で付き合うとは、白米や白砂糖を食べるのと同じことだからです。

白米や白砂糖は表面を削って中身だけの状態にしたものです。大変美味しいのですが、食べ過ぎると簡単に血糖値上昇を引き起こします。なぜかと言えば正反対の性質を持つ表面が削られているからです。
白砂糖に精製する前の黒砂糖は、糖分でありながら不要な糖分を排出する作用があります。白米の場合も精米する前の玄米には胚芽が残り、胚芽には血糖値を下げる作用があるのです。
薬害も同じ理由で起こります。第76回「薬について」
自然の法則を説く「易経」では表面や建前の別名を「礼儀」としています。本音だけの人間関係は美味しいのですが、栄養が偏り、ときには食あたりも起こします。

公園や公道の草刈りが始まっています。六月や七月にあまり行われないのは、刈ってもすぐに元の草むらに戻ってしまうからです。今の時期に刈ると草の勢いも衰えているので、元のように生えてきません。
建前こそ陽気盛んな八月ですが、本音は収斂、衰退の陰性となっています。

第186回香肌文庫 2021.8.1

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