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香肌文庫 第155回 梅花心易

少し前の話ですが、散歩中に友人から電話があり、体調不良で休職している同僚に鍼灸を勧めてみようと思うがどうだろう?ということでした。私はその電話を受けた時に古びた民家の前にいたのですが、その土蔵の壁に気味悪いヤモリが張り付いていたのです。私はそれを見てとっさに「その同僚は性格的に一癖あるな」と言いました。すると友人は「まったくその通りで少し厄介者なんだ。なぜそんなことが分かるのか?」と驚いた口調でした。これは私に霊感や超能力があるのではなく、梅花心易(ばいかしんえき)という占いをしただけなのです。

梅花心易は何か問題が起こった時や相談を受けた時の時刻、またその瞬間に身の周りに存在していた物などから未来や原因を推測する占法で易の秘術とされていました。私も朝一番初めにすれ違った車のナンバーから一日を占ったりすることがありますが、大変よく当たります。梅花心易のやり方を説明すると易の理論から説明することになり大変なので省略しますが、難しく考えなくても最初に紹介したヤモリの話のように、何かからインスピレーションを働かせるだけで事の「兆し」を予測できます。(第80回兆しと変化)

例えばこれも知人の話ですが、その知人は昔、悪性のガンで東京の病院に入院したのですが、案内された病室の窓から外を見ると、澄みきった青空の遠くに富士山がクッキリと見え「あっ、私治るんだ!」と確信したそうです。そして予想通り元気に退院することができたのです。
書いていたら思い出したのでもう一例紹介します。私は一昨年の春に転倒して左膝を骨折し、しばらくの間ギプスをしたまま仕事をしていました。転倒した日は捻挫だと思っていたのですが、夜は痛みでほとんど眠れず、仰向けでずっと天井を見ていました。そしてふと、外の光がカーテンの隙間を通り、天井に形を作っているのに気づきました。その形はちょうど英字のエックスのようだったのですが、エックスの下に伸びる左右の線が片側だけくの字に曲がっていたのです。これを見て私は「絶対折れてるな…」と溜息をついたのでした。

これら梅花心易が当たる事実から分かることは、足元に生えている草花、頭上を飛んだ鳥、前を歩いている老人、聞こえてくる学生の会話、これらは全て現在の自分と同調しているということ、現時点と周囲は繋がっているということなのです。ニュートンが万有引力を思いつく時に木からリンゴが落ちるのは当たり前であり、浮力の法則を発見した時にアルキメデスが入浴していたのも当然なのです。

後回しになってしまいましたが、あけましておめでとうございます。初夢は一富士二鷹三茄子でしたか?
新しいスタートのときに表れる兆しは未来を暗示しています。皆さんが吉兆に遭遇し、良い一年になりますようお祈りいたします。

     
第155回香肌文庫 2019.1.1

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