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香肌文庫 第98回 小腸に習う

生化学の先生に「どうして小腸はガンになりにくいのですか?」と質問したことがあります。
先生がおっしゃるには、小腸は「細胞分裂が非常に原始的で単純」だからだそうです。
ガンの発生は結果として細胞分裂の仕方の異常によるのですが、肺や肝臓など細胞分裂が複雑な臓器に起こりやすいのだそうです。単純な奴ほど丈夫ということでしょうか。
動物の始まりとされるヒドラなどの腔腸生物は腸しか持っておらず、腸だけで呼吸や消化吸収を行ってきました。やがて進化するにつれ肺や肝臓に枝分かれしていきました。私たち人間など、高等な多細胞生物の命も腸の発生から始まるのです。まさに腸は臓器の原種とも言えます。植物でも原種は強いですよね。電気製品も様々な機能のついた複合機は故障が多いと聞いています。

私達人間はどうでしょうか?今の時代うつになってしまう人が増加していますが、うつになってしまう人は複合機になろうとがんばっている人が多いように感じています。「そこそこの収入、そこそこの生活、そこそこの出世、そこそこのマイホーム、そこそこの老後、そこそこそこそこそこ……」
反対に「出世よりお金」「同僚に嫌われても社長を目指す」「毎日カップラーメン食べてでもいつか億ションに住みたい」「老後を海外で悠々自適に暮らすため今は飲み会も断わり、ドケチに生きる」など一辺倒に的を絞れる人は、他が犠牲になろうが粗末になろうがまったく意に介さず、どんな境遇でもうつになりません。
どちらの生き様が正しいのか美しいのかは分かりませんが、うつになりにくいのは後者の単一型であることは間違いありません。うつにならないヒントもここにありそうです。
食堂でも新メニューがあれこれ増えていくお店より、変わらない自慢の一品を持つ店の方が丈夫なのです。
さあ、4月になり新しいスタートをする方も多いと思います。小腸のように単純でタフにいきたいですね。

第98回香肌文庫 2014.4.1

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