香肌文庫 第94回 風 2014年はどんな年？
喧嘩の仲介をするにはどちらが悪いなどと白黒を付けず「まあまあ、どちらもどちらも…」という具合にいかなければ治まりません。物事を平らに治めるには自己を持ってはいけないのです。自然現象でこのような仲介役をしているものは何でしょうか？それは「風」です。風の役割と聞かれると意外に分からないものですが、太陽熱の拡散や冷却、温度差の緩和、気圧の不均一の解消など風には偏らないよう
に「調える」作用があるのです。砂浜で作った山も穴もいつの間にか風が平らにしてくれています。
このような働きは足を大地に着けず、あっちに行ったりこっちに来たりという性質だからこそ成せるのです。
この働きを気学では「四緑木星」と言います。迎える2014年の暦でもあり、来年は四緑木星の現象が起きやすい年となります。
まず「調う」ということでこれまで議論されてきた法案が通りやすくなるでしょう。増税の次は何でしょうか？また風の働きには植物間の受粉作用がありますが、このため四緑木星には「遠方」「取引」の意味があります。来年はグローバルなニユースを頻繁に聞くことと思います。TPPなども四緑木星の現象であり進展がありそうです。新規のことに関しては風の行ったり来たりする性質が悪く出やすく、グズグズ迷って決断できない事態も起こります。
「調う」と「迷う」正反対のようですが、「迷う」の延長線上にあるのが「調う」です。昼と夜みたいなものです。相対ではなく円の一部分として見るのが本当の陰陽であり、全ての東洋思想を理解する極意です。
災害としては風による被害、竜巻や暴風に注意と言えるでしょう。
四緑木星の年に生まれた人は風の化身なので上述したような性質を生まれつき持っています。そのため、偏った事は言わずに臨機応変に立ち振る舞うため、人当たりは大変よく感じます。風がどんな隙間にも入り込むように人の心を察するのも敏感です。ただし自在に吹く風のように考えをコロコロ変えたり、迷って決断ができないという欠点も否めません。また「調える」ということから大工や美容師など手先の仕事や、「仲介」「遠方」ということから商人、司会者、貿易、旅行業などは相性の良い仕事となっています。
風は目に見えませんが、絵にするなら動きを伴うため長い形となります。そのため四緑木星の臓器を腸としています。腸は排泄物、消化物の伝達器官であり、まさに体の中を吹く風です。 最近まで腸は単なる消化吸収器官と軽く扱われていましたが、近年の研究では消化物の内容に応じて腸自身が脳という"お上"を介すことなく、他臓器へ消化液やホルモン分泌の催促をしていることが明らかになったそうです。「栄養作ッタルデアレ出シテンカ」腸はなかなかの商売人です。気学から内臓の働きを考えると、臓器というものが色んなキャラクターに見え愛しくなってきます。
病気としては風の「運搬作用」から、何かしらの伝染病が流行する恐れも考えられます。先に述べたように腸は四緑木星の臓器ですが、O157が大流行した1996年も四緑木星の年でした。用心して下さい。
さて、今年もこれが最後の稿となりました。皆様の2014年を「良き風」が吹くことを祈ります。一年間ありがとうございました。
第94回香肌文庫 2013.12.1
