香肌文庫 第66回 宝くじは当たるか？
新しい技術を習得すると必ず近日中にそれを使用すべき患者さんが来院します。免許を習得してしばらくの間は机上で学んだ通りの治療を行う患者さんが来られますが、だんだん技術が向上してくると難しい症状の患者さんが訪れるようになってきます。自分の力量に合わせ来院する症状の難易度が変わってくるのです。これは大変不思議で面白い事実です。おそらく他の分野の仕事でも同じような現象がみられるのではないでしょうか？
病と体力の関係も同じと言えます。体力のある人はあまり病気はしませんが、いざ病に罹れば重く激しい症状を呈します。体力のない人は年中不調を訴える割にはさほど大病には罹りません。
人生もそうです。逞しい人はびっくりするようなトラブルが起こりますが一向に意に介しません。一方神経質でビクビクしているような方は些細なトラブルで意気消沈しますが、大した内容ではありません。
神様はその人の器に合わせて品の大小を決めてくれます。これが本当の平等かもしれません。
さて、私も今回サマージャンボを買いました。しかし考えてみれば今持っている器には大金は 入らないでしょう。仮に大当たりすれば大変です。体力ない人が大病に罹るようなものです。大海原に放り出されたメダカです。外れてラッキーかもしれません。とは偉そうに言うものの理屈と感情は陰と陽、別物です。当たって欲しいです！ 最後に、持って生まれた個人差はありますが、器は努力次第で大きくも小さくもなることを付け加えておきます。
第66回香肌文庫 2011.8.1
