香肌文庫 第51回 エネルギーの旋回
鍼灸治療の効果を高める方法として、「左右で同じツボを使わない」「左右で刺激量を変える」「材質の異なる鍼をもう一本刺す」などのやり方があります。全て臨床経験豊富な師匠に教わったものですが、なるほど左右に差をつけるから、二つが異なるから鍼灸の対象である「気」が旋回して効くのだなあと思いました。例えば空気を旋回させるには暖かい空気と冷たい空気が存在しなければなりません。暖房で温まった部屋の窓を開ければよく分かります。雷のエネルギーも上空にできた氷の結晶に大・小の差があることにより電気発生につながります。また、芸能会で人気のグループも異なった個性のぶつかり合いで魅力が増し、成長した企業には必ず社長とは異質の参謀がいるものです。
さて、春から始まった新しい環境はいかがですか?慣れてきた方は疲れを感じやすい時期です。また、なかなか馴染めず困っている方もいるかも知れません。気分転換に自分とはちょっと違う人に会ったり、異なった世界に触れてみてはどうでしょうか。エネルギーが旋回して元気になれるかもしれません。決して転職を勧めているのではありませんよ。(冗)
第51回香肌文庫 2010.5.1