香肌文庫 第41回 肩凝りについて
肩凝りというと筋肉が緊張して硬くなる状態と思われがちです。しかし当院を訪れる患者様にはひどい自覚症状を訴えているにもかかわらず筋肉の緊張は見られない方、逆に自覚状がないのに筋肉が硬くなっている方など様々です。肩凝りは硬いか柔らかいかより、感じるか感じないかで決まりそうです。
それではどういう時に自覚症状として感じるのでしょうか?
それはどうも筋肉よりも浅い皮膚の緊張状態で決まるようです。もちろん筋肉も硬いより柔らかい方が良いのは言うまでもありませんが、それだけでは自覚症状につながらないようなのです。肩の筋肉は健康な人でも正常な張りがあり、グニャグニャということはありません。鍼治療も硬い筋肉めがけて刺してもあまり効果はなく、むしろ数ミリの浅い鍼をした方がずっと効果的です。マッサージでも強い力でやると爽快感はあってもかえって逆効果となるようです。
つまり筋肉よりも皮膚の緊張を消失させることが楽にしてあげるポイントと言えます。
次に肩凝りが起こる原因ですが、現代社会ではストレス性のものが圧倒的に多くなっています。
例えば肩が凝るような仕事内容でもそれを楽しいと感じたり、居心地の良い職場だと不思議に肩凝りを感じません。生活のためやむ得ない仕事だったり、職場の雰囲気が悪いと仕事内容に関係なく肩凝りが起こりやすくなります。
第41回香肌文庫 2009.3.1