香肌文庫 第34回 皮膚ってすごい!
私がまだ鍼灸学校の学生だった時にある先生の実技を見学しました。とても真面目でベテランであるその先生は、驚いたことに鍼灸治療と同時に患者さんの好きな色の紙を皮膚に貼ったり、難しい治療理論が書かれた紙きれを背中に貼ったりするのです。これを見た私の感想はもちろん「これはないだろう…。」でした。
あれから15年以上経とうとしていますが、わたしの感想は「もしかして…!」に変わろうとしています。
きっかけは『皮膚は考える/傳田光洋著』を読んでからでした。傳田氏は脳に存在する各種受容体が皮膚にも存在することを発見しました。皮膚は私たちが想像している以上のすごい働きをしていることが分かってきたのです。分かりやすく言うと、私たちが目で見て、耳で聞き、鼻で嗅いで判断するのと同じことを皮膚も行っているということです。例えば視覚を失った人でも外部の光に反応して生理的変化が起きるそうです。これは皮膚が光を感じている証拠です。傳田氏は「皮膚はそれ自体が独自に考え、判断し、行動するもの。まさに第三の脳である。」と言っています。これからもっと皮膚科学が進めばこれまで不思議とされてきた鍼灸治療の効果のメカニズムが分かってくるかもしれません。以前この文庫にも書いた「鍼は皮膚に接触させるだけでも効く」ということも不思議ではなくなりそうです。学生の時に見学したあの先生、疑ってごめんなさい。
参考文献 『皮膚は考える』/傳田光洋 岩波科学ライブラリー
第34回香肌文庫 2008.7.1
あれから15年以上経とうとしていますが、わたしの感想は「もしかして…!」に変わろうとしています。
きっかけは『皮膚は考える/傳田光洋著』を読んでからでした。傳田氏は脳に存在する各種受容体が皮膚にも存在することを発見しました。皮膚は私たちが想像している以上のすごい働きをしていることが分かってきたのです。分かりやすく言うと、私たちが目で見て、耳で聞き、鼻で嗅いで判断するのと同じことを皮膚も行っているということです。例えば視覚を失った人でも外部の光に反応して生理的変化が起きるそうです。これは皮膚が光を感じている証拠です。傳田氏は「皮膚はそれ自体が独自に考え、判断し、行動するもの。まさに第三の脳である。」と言っています。これからもっと皮膚科学が進めばこれまで不思議とされてきた鍼灸治療の効果のメカニズムが分かってくるかもしれません。以前この文庫にも書いた「鍼は皮膚に接触させるだけでも効く」ということも不思議ではなくなりそうです。学生の時に見学したあの先生、疑ってごめんなさい。
参考文献 『皮膚は考える』/傳田光洋 岩波科学ライブラリー
第34回香肌文庫 2008.7.1