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香肌文庫 第26回 体温計に出ない熱

体が熱って頭痛がするので体温計で計ってみたところ微熱すらなく、周囲からも「大丈夫だよ」と片づけられてしまったことはありませんか。現代社会は熱が無いと会社も堂々と休みづらいようです。気の毒な話です。
東洋医学では熱や頭痛も深浅で考えます。まず浅い所の症状ですが、このタイプを太陽病といいます。体温計でも発熱が確認できます。症状は激しくても比較的早く治ります。発汗すればスッキリします。体温計で確認できるのはこのタイプだけです。(壊れてなければ…)

自覚として熱っぽいが、体温計には現れないタイプを陽明病といいます。太陽病よりも深いタイプです。激しい症状はないのですが、鎮痛剤も効きにくく、発汗してもスッキリはしません。稀に大便をしたとたんに治る場合があります。疲れから来ることが多く、養生すれば心配ないのですが、頭痛などがつらい場合は足の三里というツボ(下図参照)に磁気板や以前紹介したように10円硬貨を貼るという方法がよく効きます。
西洋医学は様々な症状を横に並べて病名を増やしていきますが、東洋医学では病を深浅の段階で捉えることが特徴と言えます。

※足の三里…すねの外側で、膝の指四本分くらい下にあります。人によって場所にズレがあるので圧痛をたよりに探して下さい。

第26回香肌文庫 2007年

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