香肌文庫 第23回 50/50 気の発生
先日新潟でまた大きな地震がありました。被災地の方々には謹んでお見舞い申しあげます。さて、我が国で地震が起こりやすいのは断層と呼ばれる大地の継ぎ目が多くあるためです。大地どうしが同じ力で押し合っていれば何も起こりませんが、その均衡が崩れたときが地震発生です。つまり断層は常に緊張状態と言えます。
何だか恐くなってきますが、私はこの断層というものにエネルギー、引いては東洋で言う“気”というもののヒントがあるように思うのです。
手を合掌して左右同じ力で押し合っているときは外見上は何の動きもありません。ただ止まっています。しかしここには見えないエネルギー、つまり気が充満しているように思うのです。この５０/５０で均衡が保たれて静止している状態が古代中国で言う“太極”であり、インドで言う“ゼロ”であり、日本で言う“無”ではないかと思うのです。私は以前師匠に鍼を刺す深さについて、「抵抗を感じた所で刺すのを止める」と教わったのですが、この意味がようやく分かったような気がします。以前この文庫で「鍼治療は気を操作する」と書きましたが、治療効果になる気を作るのも治療家の手技と受け入れる患者の抵抗が５０/５０の時と言えるのかもしれません。
余談になりますが、我が国で最も大きな断層は中央構造線と呼ばれ、九州から関東地方にまで及んでいます。この中央構造線に沿って伊勢神宮、高野山、四国霊場など古代の巡礼場が集中しているのも興味深い事実です。ここに行けば“気”を吸収できるのかもしれません。
それでも断層、地震やっぱり恐いですね。来ないことを祈ります。
第23回香肌文庫 2007年
何だか恐くなってきますが、私はこの断層というものにエネルギー、引いては東洋で言う“気”というもののヒントがあるように思うのです。
手を合掌して左右同じ力で押し合っているときは外見上は何の動きもありません。ただ止まっています。しかしここには見えないエネルギー、つまり気が充満しているように思うのです。この５０/５０で均衡が保たれて静止している状態が古代中国で言う“太極”であり、インドで言う“ゼロ”であり、日本で言う“無”ではないかと思うのです。私は以前師匠に鍼を刺す深さについて、「抵抗を感じた所で刺すのを止める」と教わったのですが、この意味がようやく分かったような気がします。以前この文庫で「鍼治療は気を操作する」と書きましたが、治療効果になる気を作るのも治療家の手技と受け入れる患者の抵抗が５０/５０の時と言えるのかもしれません。
余談になりますが、我が国で最も大きな断層は中央構造線と呼ばれ、九州から関東地方にまで及んでいます。この中央構造線に沿って伊勢神宮、高野山、四国霊場など古代の巡礼場が集中しているのも興味深い事実です。ここに行けば“気”を吸収できるのかもしれません。
それでも断層、地震やっぱり恐いですね。来ないことを祈ります。
第23回香肌文庫 2007年
