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第237回 命門めいもん

腎臓は左右に一つずつありますが、東洋医学では右側の腎臓を特別視して「命門めいもん」と呼んでいます。右腎臓は生命の源であるとして畏敬の念を込めているのです。腎臓は五行で水の性質を持つ臓器なのですが、右腎臓である命門は「水+火」としています。つまり「生命」は相反するもので成り立っているということが東洋医学の生命観なのです。

現代医学からみても、生命を維持する自律神経は活動するときに働く交感神経とリラックス時に働く副交感神経の相反するもので成り立っています。また、筋肉も動作を起こす時に収縮する主動作筋と過度な収縮を制御する拮抗筋で成り立っています。身体のどの部分をみても命門のように拮抗関係で成り立っているのです。"東洋科学"の核心「万物は陰陽から成る」です。
この東洋科学が常だった私は、今回ノーベル医学賞を受賞した坂口志文教授の免疫反応を抑制する「制御性T細胞」の発見に「それはあるだろうなあ」が感想でした。むしろ制御細胞はないことが定説だったことに驚きました。もちろん近代科学の世界は可視的な証明がないと屁もかけてもらえませんし、坂口教授の功績が計り知れないことは言うまでもありません。

命門は身体だけではありません。例えば、一流のアスリートには必ず好敵手、良きライバルがいます。自分自身と拮抗関係となり、成長させてくれる相手として互いに称え合います。もしライバルの失敗を喜び、成功を恨めば命門を失うため自分自身が衰退します。一流選手はそこを良く分かっています。
また別の例ですが、ウナギの稚魚は長時間の運搬途中にほとんどが弱って死んでしまうそうです。そこで水槽に天敵のナマズを一緒に入れておくようにしたところ、稚魚の生存率が上がったのだそうです。
こう考えると、私たちが日常感じるストレス、嫌な奴も生命の源、命門になっているのかも知れません。

さて、秋も深まりサツマイモが美味しい季節ですね。サツマイモは多く食べると胸やけを起こすことがありますが、それを防ぐためには皮も食べるのが良いみたいです。サツマイモの実と皮は拮抗する成分で成り立っているからです。素材はまるごと命門を頂くのが理想です。それでは食欲の秋を楽しみましょう!

第237回香肌文庫 2025.11.1

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