0598-31-1809受付時間:AM9:00〜PM6:00 
休診日:木曜・日曜・祝日

第219回 調気ノ法ハ必ズ陰陽ニアリ

古代に書かれた鍼灸の聖典『霊枢』には「九変に応ずる刺法」という九種の刺鍼法が書かれているのですが、この中に現代でも使われている「巨刺」という刺法があります。不思議な刺法で、痛みなどの患部には刺さず、その反対側の部位に刺すのです。例えば右膝が痛ければ痛みのない左膝の同部位に刺すのです。
比較的古くなった症状や八割方治ったが、あとの二割が中々治らないといった場合に使うことがあります。
マジックのような治療ですが、人の体というものは必ず左右拮抗で成り立っているため、右が実すると左は虚します。つまり痛みのない虚の部分を治療することで、反対の痛所がおとなしくなるのです。妻が強過ぎて旦那が衰弱している場合、そのバランスを取るには、妻を絞めるか?旦那を強くするか?のどちらかです。巨刺は後者になりますね。

今回のタイトル「調気ノ法ハ必ズ陰陽ニアリ」は霊枢と同じく古代に書かれた鍼灸の聖典『難経』に書かれています。「治療とは陰陽の偏りを無くすこと」「不調とは陰陽の偏り」という意味ですが、今は亡き師匠が「この一文こそ鍼灸の真髄だ」と教えてくれました。
私たちの体は左右以外にも、上下、深浅、前後で陰陽関係となっています。痔が頭頂部のツボで治り、腹痛が背中のツボで治り、筋肉の凝りが皮膚への鍼で治るのも陰陽のバランスが取れるためです。また、心臓(陽)と腎臓(陰)など臓器同士も陰陽関係となっており、腎臓の弱りが高血圧となって心臓を亢進させたりします。
夫婦も陰陽のバランスが大事です。世の旦那よ立ち上がれ!

第219回香肌文庫 2024.5.1

営業日カレンダー

× ×

お問い合わせフォーム

鍼灸専門カササギ堂

〒515-0073
三重県松阪市殿町1540-37
TEL 0598-31-1809