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第218回 鍼灸と漢方

娘の卒業式で校長先生が素敵な話をしてくれました。
「人は悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい」という有名な心理学者ジェームズランゲの説を引き合いに、「つらくても自分を励まし、先に笑顔を作れば必ず道が開く」と。
私もその通りだなあと納得しました。それは鍼灸の効果と同じだからです。
現代医学に慣れ親しんでいる私たちは、病気だから元気がなくなる、病気が治れば元気になれると考えています。しかし、元々病気を対象にせず、元気(気の流れ)を対象とする鍼灸は、病はひとまず置いて、元気を取り戻します。「元気になれば病も治る」という療法です。校長先生のお話と同じで先に元気になってしまいます。
表から中へ影響を及ぼすのです。

そして、ジェームズランゲとは反対の説を唱えたのがキャノンバードです。キャノンバードはジェームズランゲ説を完全には否定しないものの、「人は悲しいから泣くのだ」と唱えます。
私はジェームズランゲ説もキャノンバード説も両方アリと思います。ジェームズ・ランゲ説が鍼灸なら、キャノンバード説は漢方薬だからです。
表層の経絡を治療する鍼灸と違い、漢方は深部の五臓六腑に直接影響を及ぼします。肉体を養って病気を治し、元気にします。つまり、すぐに笑顔を作ることはできないのでまずは心を癒し、悲しみを薄らげます。
ひどく衰弱した者に鍼灸は難しく、漢方の方が良いということです。
さて、4月は期待と不安の季節です。表からスパっとジェームズランゲで行くか、中からじっくりキャノンバードで行くか、自分に合った処方箋で行きましょう。

第218回香肌文庫 2024.4.1

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