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香肌文庫 第201回 自然治癒力

東西医学にはそれぞれの宗教観が影響しています。キリスト教の影響が濃い西洋では、病は外から来るものと考え、健康になるためには岩石のような強固な体が必要とし、強いとは相手を打ち負かすこととします。元々が狩猟民族であることも影響しているのでしょう。
一方仏教などの影響が濃い東洋では病も自分の一部と考え、治すのも自然治癒力を重視します。農耕民族なので自分の力より天の働きを頼りにします。強いという概念も西洋のそれとは違ってきます。

東洋哲学の『老子』では、水こそが万物最強であるとし、水は容器の形に合わせて自由自在に形を変えるように最も柔軟であり、それでいて最も強固な岩石を終に溶かしてしまうこともできる。つまり我という形を持たないことが最強なのだと教えています。武術も西洋のように相手を打ち負かすための技と違って、東洋の武術は合気道や他の古武術にみられるように、いかに相手の力を利用しその力を削いでしまうのかに重点をおいています。
中国仏教は老子の思想が融合しているため、それ経由の日本仏教も「無」、つまり我を捨て、我を自然の一部としてしまうことを課題にしています。とにかく宗教でも武術でも東洋のものは全て「力を抜け」と教えています。それは力を抜いてこそ自然エネルギーを受信することができるからです。

『史記』に登場し、カササギ堂の屋号の由来でもある伝説の名医「扁鵲」は、病気が治り難い人には六つのタイプがあると説明し、その筆頭に「我の強い人」をあげています。我の強い人は全てを自分の頭と力で解決しようと力んでいるため、せっかく周囲に取り巻いている自然エネルギーを受信することができません。
今風に言えば、副交感神経優位のリラックス状態の方が自然治癒力が高まるということです。 
誤解されやすいのは、自然治癒力と聞けば体の奥底から湧いて来るようなイメージを持ってしまうことです。しかし自然治癒力は肉体外部からもたらされるのです。これは東洋医学のルーツである古代インド医学が明らかにしています。

薬やメスを手に病気と戦おうとする西洋医学は「自力の医学」です。 植物の力を直接肉体に取り入れる漢方、自然エネルギーと連絡するエーテル体(経絡)を整え、体を自然と調和させる鍼灸、東洋医学は「他力の医学」と言えます。そして東西いずれにせよ、これら医療行為は肉体外部にある自然エネルギーとの触媒に過ぎず、最終的に病気を治すのは外からの恩恵である自然治癒力、つまり他力以外にはあり得ないのです。 


第201回香肌文庫 2022.11.1

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