香肌文庫 第189回 禁鍼穴
私は強い香水の匂いが苦手で、それならまだ屁の匂いの方がマシなのですが、面白いことに屁の匂いと香水の匂い成分は同じなのです。屁の悪臭の元はインドールやスカトールといった成分なのですが、これらの成分を薄めていくと芳香な花の香りになっていくのです。考えてみればこの世に存在するものは全てこのような関係になっていることに気づかされます。
例えば、マッサージは凝りをほぐす効果がありますが、強いマッサージを続けていると却って筋肉を固くしてしまいます。強いマッサージばかりしている人は常にガチガチの体をしています。
また、現代医学で行われている抗がん剤や放射線治療は微量ならガン細胞を消す作用がありますが、強くなると発ガンの恐れが出てきます。
つまり、正反対とは別々の物ではなく同じ物の濃度差です。
さて、コロナワクチンの接種率もかなり進んだようですが、接種後に腕が痛くなったりシビレたりする人も多いようです。注射をする腕の部位周辺は鍼治療においても深刺しがタブーで、この付近にある手の五里というツボは深く刺し過ぎると腕の痛みやシビレが起こりやすく、昔から禁鍼穴とされています。しかし、効能としてはやはり、腕の痛みやシビレを治すツボとなっています。
第189回香肌文庫 2021.11.1