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香肌文庫 第188回 蘇民将来

~昔々、牛頭天王が旅の途中で巨胆将来の家に宿を求めました。意地悪な巨胆将来は裕福であるにもかかわらず「うちは貧乏ですから」と嘘を付いて追い返しました。困った牛頭天王は次に蘇民将来の家へ宿を求めました。優しい蘇民将来は貧しいにもかかわらず快く迎え入れ、粟の粥を馳走するなど、できる限りの歓待をしました。牛頭天王はそのお礼として「蘇民将来子孫也」と書かれた茅の輪を差し出し、「これを腰に付けていれば子々孫々まで疫病から免れるだろう」と言い残し去りました。そしてまもなく疫病が流行し猛威を振るったのですが、蘇民将来の一家だけは無事だったとのことです。~

この逸話が全国あちらこちらの神社で行われる無病息災祈願の茅の輪くぐりにつながっているわけですが、
伊勢地方は特にこの信仰が根付いており、「蘇民将来子孫之門」と書かれたしめ縄やお札を玄関に一年中飾る家が少なくありません。また、昨今のコロナ騒動でこのお札を求める人も多くなったそうです。

さて、疫病の正体であるウイルスですが、ウイルスは我々人間など生物に寄生しないと生きていくことができません。異物と認識されて排除されないために我々が持つ体の成分に似た形に進化していきます。つまり共存しようとするわけです。ヘルペスウイルスなどは共存に成功したものといえます。
かく言う我々人間も地球に寄生しないと生きていけないウイルスです。地球から異物と認識され、排除されないにはどうすれば良いのか?自分の事しか考えず、他者を顧みない者は異物として排除されるのだと蘇民将来の逸話が教えてくれています。排除されず共存できるように我々も地球そっくりの姿に進化していかなければいけません。地球そっくりの姿とは…?
物質は出過ぎた部分を削り、足りない部分を補っていくと丸い形になります。つまり自分一人満たされようとせず、困った者を助ける姿が地球の丸い姿そのものです。
皆が蘇民将来になればコロナもどこかへ行ってくれるでしょうか。



第188回香肌文庫 2021.10.1

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