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香肌文庫 第181回 弱さはそのままに 

今はどうか知りませんが、アメリカの自動車メーカーは、耐用年数5年なら5年間車を走らせてまだ頑丈な部分があればそれを弱くする、つまり耐用年数に達したら全体が一度にバッと壊れてしまうのを理想の車としていたようです。日本のメーカーの場合は、弱い部分、悪い部分を一つ一つ改良して理想の車を追求してきました。
一見日本のやり方が良さそうですが、人間の体についてはアメリカ式の方が良いといえます。

本来、年老いて寿命を迎えれば、誰もがポックリと死ねるように設計されているものだと私は思っています。
それを延命や若返りに価値を置く現代医学の弊害で、苦しみながら長生きし、苦しみながら死んでいくような事態が起きているのではないでしょうか。我々の体は内臓も筋骨も全てが連携しています。例えば年を取り、心臓や肺が弱れば、負担がかからないようにと足腰を弱らせて無理ができないようにしてくれます。そのため弱った足腰を鍛える無理なトレーニングをしたり、鎮痛剤で痛みを麻痺させてまで動こうとすれば、心臓発作や肺炎を起こしかねません。また、バイアグラなどを使って無理にセックスを強くしたりする人がいますが、これなども腹上死になりかねません。年を取って内臓が弱ってきたら、体力も弱らないと危険なのです。部分的な強化が苦しみの原因になっているということを多くの人は気付いていません。
性格も同じで、弱い部分があるからといって無理にメンタルトレーニングしない方が良いのです。そんなことをすればせっかくの長所までダメにしてしまいます。弱い部分は大切な何かの代償になっているはずです。

第181回香肌文庫 2021.3.1

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