肩こり、腰痛、頭痛など日常の軽い不調は手足にあるツボを使うだけで多くは解決することができます。
ですからツボの場所さえ分かれば自分一人でもツボ治療ができるわけです。
しかし、病が深くなって慢性化したり、進行して重度の状態になってしまうと手足のツボだけでは難しく、背中のツボへのお灸が必須となります。背中のツボしか選択肢がなくなるのです。そして今さらながら私はこのことに感激しています。それは「誰かにやってもらうしかない」からです。背中のツボは自分では触れません。
私たちは困ったとき、苦しい時は他人に助けてもらうことができ、また助けることができるのです。
最後のツボを背中に置くなんて神様から人間へのメッセージかな？最後は他人の助け、人との触れ合いです。
背中のツボは名前を兪穴といいます。癒しのツボ、触れ合いのツボです。

今年はコロナ禍で人同士の触れ合いが無くなり、怖さ以上に寂しい年だったのではないでしょうか。人との距離、ゴム手袋、透明の遮断シート…　マスクをしていると笑顔も消され、いつも怒った顔になってしまいます。来年はマスクに閉ざされていた笑顔が見られる年になるよう祈りたいと思います。
今年最後の香肌文庫となります。一年間ありがとうございました。


第178回香肌文庫　2020.12.1