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香肌文庫 第138回 先祖供養

お盆休みで墓参りなどご先祖様の供養をされる方も多いことでしょう。そこで先祖供養について私が薄々感じていることを書きたいと思います。トンデモ話として読んでもらっても構いません。
私は先祖供養は一族の長が絶対やるべきだと思うのです。
長以外の人は先祖供養するなと言っているわけではありません。誰であろうとご先祖様に感謝することは大事なことです。私が言いたいのは、長をさしおいて他の人が主祭者のようになってはいけないということです。
我々鍼灸師が行うお灸は、ヨモギから作った艾を手で捻って形を作ります。大きさは症状によって様々ですが、形は必ず円錐状もしくはピラミッド型にします。この形が最も安定していて火の回り方も均等であり、効果もあるのです。不安定な形にすると倒れて火傷をさせてしまったり、心地よい熱感が得られません。
化学では「全ての物質は安定を求める」としていますが、物質だけでなく世の中の出来事全てが安定を求め、お灸の形になろうとします。形の悪いお灸が倒れるのも倒れた方が安定するからです。今年は各地で豪雨による土砂災害が起こっていますが、これも不安定な状態だったものが安定を求めた現象です。病気になるのもまったく同じ現象と言えます。

私が何を薄々感じているのかというと、長男がいるのに弟が主祭者になって墓や仏壇を管理したり、お爺ちゃんが健在なのに息子が主祭者のようになると、本来の長である長男やお爺ちゃんが弱ってしまうのではないかと感じているのです。これはご先祖様の祟りとかいったオカルト的な話ではなく、次男や息子を頂点に安定しようとする現象ではないかと思えるのです。長をさしおいてしまうと不安定になるのです。風水でも、他人に墓守をさせると家も墓守をする他人のものになると言われています。

今回の話は実際に病気がちの人や不運続きの人が上記の状況に当てはまっていたことがあって気付いたわけなのですが、私も決して多くの例を確認したわけではなく、ごくわずかに見聞しただけなので、確信を得るまでには至っていません。
また、先祖供養だけでなく、金正男の暗殺事件もそうですが、歴史を振り返ってみると、長男が健在にかかわらず次男や三男が立つと、長男は夭折したり不運の人生を送ったりしている場合が多いのです。ただし末子相続のように、長男が完全に一族の外へ独立する場合は不安定にはなりません。
昔から毎朝お仏壇にご飯とお茶をお供えするのは、お爺ちゃんお婆ちゃんの仕事でした。年寄りだから気の毒といって他の仕事は手伝ったとしても、先祖供養だけは健在する一族の長がやっていたのです。
天皇陛下の日課でも中心となるのは祭祀です。国民の長である陛下が国家安泰を神々に祈ります。古代中国の皇帝も自ら天壇に立ち、天帝を祀る儀式を行いました。代わりに部下にさせたりはしません。
昔の人は何かにつけて長男をひいきし重宝しましたが、やはり長男に生まれることや長になるということは祭祀を行う義務を背負っているのかもしれません。
諸事情で長男以外の方が親の面倒を見たり、実家の管理をすることはよくあります。ただし、先祖供養の主祭者だけは長男や長女であるべきです。健在ならお爺ちゃんやお婆ちゃんが主祭者です。それが一族安定の形であると私は思います。

第138回香肌文庫 2017.8.1

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