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香肌文庫 第125回 カササギ

中国の歴史書「史記」に伝説の鍼医が登場します。名前を扁鵲(へんじゃく)といいます。
扁鵲は超人的な医師で、臨終と診断された病人を生き返らせたり、患者を一目見れば、病のある部位が透視できたと書かれています。もちろん空想の話とされてはいますが、まったくの嘘ではないかも?と私は思っているのです。
漢方や鍼灸などの自然療法が生まれた頃の時代は上元の時代と言われ、直感や霊力に優れた人が多く存在する極めてスピリチュアルな時代だったようです。扁鵲のような超人がいた可能性も充分考えられます。
ついでに話しますと、上元の次は中元の時代となり、天地自然を崇拝する時代から人間中心の時代に変わっていきます。人々は物事を実際的に考えるようになっていきます。そして次の下元の時代になると世の中は成熟し、享楽的な物質文明となります。
この三つの時代が進化して形を変えながら繰り返されるのですが、現在は下元が終わり上元に入ったと言われています。神秘世界に興味を持つ若者や、仏教を見直そうとする風潮など、精神的に生きたいと願う人が増えてきたのもその表れかも知れません。ただし、変化するといっても全体傾向の違いだけで、いつの時代も社会は上・中・下元の人で成り立っているのです。どのタイプであるかは顔を見れば瞬時に分かります。
上元の人、つまり神経質で精神性の強い人は額が大きく発達し、全体的には逆三角形の顔をしています。唯物的になった中元の人は、目から鼻の下線にかけての頬骨やえら骨が発達するいわゆる筋骨質の顔です。楽天的で物質的な下元の人は、頬から下顎の発達する下膨れ顔となります。
世の中は三種存在することで平行を保つのです。喫茶店のウエイターも三本指でトレーを運んでいます。体にある沢山のツボも、きちんと三つのグループ分けになっています。経済的にも日本は上・中・下流の家庭が存在するように作られているからクーデターはおきません。もし上流と下流の存在だけになったら国はすぐに荒れるでしょう。

話を扁鵲に戻します。扁鵲の「鵲」はカササギです。このため扁鵲はカササギの化身とされています。カササギは欧州からアジアまで広く生息していますが、日本では九州にのみ生息し、佐賀県の県鳥にもなっています。
しかし、超人的な鍼医になぜ鵲(カササギ)の名前をあてたのでしょうか?その口ばしから鍼を連想したとも、羽毛の色が白と黒で綺麗に配分されていることから、東洋医学の原理である巴図(陰陽)を連想したとも言われています。諸説あるようですが、まあ難しいこと考えずに、超人だから鳥人ということにしておきましょう。
さて、今月は七夕です。天の川に翼を広げて橋となり、織姫と彦星の恋に一役かった鳥たちもカササギでしたね。 短冊に「扁鵲のような名医になれますように」と願ってみようかなあ…
でも私の場合は「扁雀」、せいぜいこっちですね。 チュン チュン

第125回香肌文庫 2016.7.1

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