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香肌文庫 第7回 鍼はなぜ効くのか

「鍼はなぜ効くのか?」鍼を刺すと血行がよくなるから。鍼が神経を刺激するから。一般の方が認識していることはおおよそこれらのようなことではないでしょうか。
確かに鍼治療の結果として血行がよくなる、神経が活性化するといった生体現象が起こるのは事実です。
しかし、なぜ鍼をすることによってこれらの現象が起こるのかということは、まったく解明されていないのです。私も患者さんに、「鍼はなぜ効くのですか?」と訊ねられると、「血行がよくなる」だとか「筋肉が緩む」などとその場しのぎの回答をしてしまいます…。
そこで普段はお話できない、何となく私が想像している鍼の作用について書いてみたいと思います。

鍼治療をして血行がよくなるのは単なる鍼の物理的刺激によるのでしょうか?実は鍼治療は必ずしも刺さなくてもある程度の効果が得られるのです。鍼先をツボにあてているだけでかなりの効果があるのです。これは物理的刺激以外に「なんらかの力」が生体に作用しているとしか考えられません。我々治療家はこの「なんらかの力」を「気」と呼んでいます。気は「目には見えない生きるためのエネルギー」と考えて下さい。
気と聞くと、人によっては「科学的でない」とか「何だか怪しい」といった印象を持つ方もいるようです
が、気を否定する考えはもう時代遅れと言われるほど気についての科学的解明が進んでいるのです。気というと、気を放出して病気を治す気功師を思い浮かべますが、気は誰しもから出ているのです。ただ、放出される気を上手くコントロールできないだけなのです。
文明の発達していない古代では気を自由自在に操れる人が当たり前のように存在していました。病気の治療も導引術などの気功治療に頼っていたことが想像できます。時代が進みますと、これら気功治療がもっと簡単にもっと効率よくできないものかと考えた結果、鍼を手にしました。
実は鍼の効果の秘密は「長くて尖っている形」にあるのです。
オーケストラの指揮者は演奏者の「気」を操るために、あの細長い指揮棒を使います。学校の先生が黒板を指す教棒も同じ理由です。アンテナも電波という見えないエネルギーを集めるため基本型は細長い形をしていま

す。また、頂上の尖った三角形の山を古代人は神奈備と呼び、霊的エネルギーに満ちた所として重要視していました。ピラミッドもまさにそうです。古代人は長いもの、尖ったものに気を集めやすい性質があることを感じていたのでしょう。
施術者から放出されたり、自然界に満ちている「気」は鍼を通してツボという窓から注がれます。病の「気」も鍼を通して排出されます。鍼治療は道具を使った気功治療といえるのです。

第7回香肌文庫 2005年

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