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香肌文庫 第169回 東洋的思考の極意2

古代から受け継がれてきた伝承の多くが近代の科学革命によりフィクションにされてしまいました。
近代と古代、この両者はそのまま科学と非科学という言葉で置き換えられてしまったわけですが、よくよく考えてみると、古代と近代の違いに優劣の差はなく、物事をマクロ的に見るかミクロ的に見るかという違いだけであることに気づくのです。
例えば病気は太古の時代には悪霊の仕業と考えられており、悪霊封じのために臭いの強い植物を体に擦りこんだり、酒や塩で体を清めたりもしていました。しかし、これを古代人の無知な方法と笑うことはできません。
なぜなら今でも薬草やアルコール消毒に姿を変えて存在しているからです。病の原因をウイルス等とするのはミクロ的見方で、悪霊とするのは古代人の無知な妄想ではなくマクロ的見方と言えます。どちらも間違いでない証拠に治療の本筋は変わっていないのです。
東洋医学が非科学的とか古典的だとか言われる理由も、人間の生命をマクロ的に捉えているからなのです。

今流行しているインフルエンザも原因はウイルスに違いないのですが、マクロ的に見れば抵抗力が弱まったからウイルスに感染するのであって、病気になったからインフルエンザに罹かると言えるのです。ですからマスクをして予防注射をするのはミクロ的な予防法で、マクロ的な予防法は体力を付けて不摂生しないということになります。結局我々が言う科学的進歩とは、単にミクロ化されたということなのです。
さらにつっこんで考えますと、病気を悪としていること自体もミクロ的思考で、マクロ的に考えれば、病気の諸症状、苦痛は体が再生復活のために抵抗力を発揮している現象なので悪ではないのです。
つまり、ここが東洋的思考の極意なのですが、マクロからミクロ、ミクロからマクロへの変化は、単に拡大縮小の変化ではなく、同じ事象が反対にひっくり返るという現象が起こるのです。悪を拡大すれば善になり、善であっても縮小すれば悪になるのです。愛が憎しみとなり、失敗が成功を生み、親切が仇となり…これらは事象が別物に変質したのではなく、ミクロ的にだけ見て、マクロ的に見ていなかっただけなのです。

虫眼鏡はミクロの世界を覗くことができます。反対に虫眼鏡を眼から遠ざけ、広い世界(マクロ)を覗いて見ると逆さまに映ります。レンズの専門用語では近づけて映るのを虚像、遠ざけて逆さまに映るのを実像と呼ぶそうです。ミクロ思考になってしまった現代人は、虚像だけを見ているのかも知れませんね。


2020.3.1

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