0598-31-1809受付時間:AM9:00〜PM7:00(土日6:00) 
休診日:木曜・第四日曜・祝日

香肌文庫 第159回 正と不正

平成が終わり令和を迎えたわけですが、平成という時代を昭和と比べ振り返ると、非常にギスギスした時代だったなと思います。学校の先生は生徒を本気で怒れない、ちょっとした言葉の間違いで職務をクビにされる、日本中マスクをし、どこへ行っても消毒消毒とうるさい、浮気などプライベートな問題に見知らぬ世間から総攻撃される、町で子供に挨拶したら警戒され、若い女性にコミュニケーションを取れば逮捕される…
昭和の時代には大目にみてくれたヤンチャな人、無神経な人も、平成の時代では抹消されてしまいました。
このような平成社会をみて、ほとんどの昭和世代の人は、「あの頃は良かった、今の時代が狂っているのだ」と思うことでしょう。しかしそれは正ではありません。今回のタイトルでいう不正の方に入ってしまいます。

正・不正とは易占の用語なのですが、位を得ているのを正、位を得ていないのを不正とします。つまり道徳的な善悪ではなく、時代に合っているのが正、時代に合わないのが不正なのです。例えば織田信長やナポレオンが多くの人を殺していても英雄なのは戦国という時代だったからです。戦国時代に「人殺しはやめましょう、人類皆兄弟!」などと叫んでいても、偉人には違いありませんが、不正なので抹消されます。
また、正・不正は個人の人間性にも当てはまることで、例えば、今年亡くなった内田裕也やショーケンがあれほど不良でも愛されたのは、器に合ったホンマもんだったからです。同じ素行を今時のきゃしゃなイケメン俳優がやっても即抹消です。

鍼灸治療は、病のある部位に直接施術できる場合と、患者の体質によっては病のある部位に直接施術出来ない場合があります。例えば肺の病に肺のツボを直接使える場合と、直接使えず遠回りした施術を行わなければならない場合があります。前者の方が治りやすく、これを証候一致といいます。後者は治りが悪く、これを証候不一致といいます。これも易でいう正・不正と同じです。体質に合った病なら治りやすく、体質と合わない病は悪化しやすいのです。

また、タバコを吸うと肺がんになりやすいと言われていますが、実際はタバコを吸っていても健康で長生きする人も多くいます。この両者の違いは何なのでしょうか?確かに言えることは、タバコが似合う人はタバコに害されにくいのです。似合う人とは、いかにも美味そうに一服する人です。一方、似合わないとは見苦しいことですから,仕事のストレスでイライラしながら吸っているような人は肺を悪くします。酒も同じです。沖縄の人は強い泡盛を夜更けまで飲み続けますが、歌って踊って楽しい酒盛りなので健康で長寿です。新橋の居酒屋でヤケ酒する人は肝臓を悪くします。
結局、自然体でいられることが自分にとって正、力が入ってしまうようなことは不正といえるのでしょう。
「似合わぬこ~とは~無理をせず~♪」 河島英五の名曲ですが、これを歌っていればどんな時代が来ても大丈夫です。


2019.5.1

営業日カレンダー

×

※第四日曜日は休みとなります

お問い合わせフォーム

鍼灸専門カササギ堂

〒515-0073
三重県松阪市殿町1540-37
TEL 0598-31-1809