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香肌文庫 第72回 ケガ

会社などの組織が危なくなる予兆として、トップと部下が別行動を始めるということが言えます。
これは我々がどんな時にケガを起こしやすいかにそっくり当てはまります。
以前「肩凝りについて」でも書きましたが、大変な仕事でも好きでやっている人は肩こりを感じません。仕方なくやっている人に肩こりが起こります。手をよく使う作業でも、それを好きでやっている人は腱鞘炎にはなりにくいものです。嫌々やっていたり、何か心配事をかかえながら手を動かしている人に起こりやすくなっています。捻挫や転倒も同じ心理状態の時に起こります。つまり手足が頭と別行動をする時が危険なのです。

次に過去にやった捻挫の箇所が時々うずく、筋肉痛がいつまでも治らないといった症状を訴える方がいます。重症を除き筋組織などの損傷は6週前後で回復しますが、あまり長引くために病院で精査する方もいます。しかし大抵は特別な原因は見つかりません。これら外傷や負荷で起こった痛みが治りにくいのには意外なことが原因になっている場合が多々あります。それは甘味と冷えです。膝や肩の痛みが治りにくい人が一年中アイスクリームを食べていたり、お菓子を食べている話をよく聞きます。甘味は筋を弛緩させます。ですから回復を遅らせるだけでなく、筋の適度な緊張も失い、ケガも起こしやすくなります。我々鍼灸師は「五行論」と言う考えから筋肉と甘味の相性の悪さがすぐ分かります。難しい説明は省きますが、筋=緊 甘=緩、と正反対のものであると理解して下さい。

最後に冷えの問題ですが、冷たい飲食物で胃腸を冷やしている人は、特に腰や膝など下半身の痛みを治りにくくしている事を実感しています。それともう一つの冷えの問題として、外傷の処置に冷やし過ぎた場合です。よく捻挫や打撲の直後に局所を冷却する処置を行いますが、極度に冷たい温度で冷やしたり、炎症期が過ぎても冷湿布を張り続けていると、かえって熱を内に閉じ込め、芯部の鈍い痛みを残してしまいます。乳幼児が風邪で高熱を出した際、極度に冷やし過ぎると脳症を起こす恐れがありますが、それと同じです。熱は体が必要に応じて発しているもので否定的に考えてはいけません。熱の処置をするのなら冷やすのではなく、発熱を吸収してあげることです。攻めるのではなく取るのです。それには常温水で濡らしたタオルを絞ったもので充分です。市販の冷却シートは取らずに攻めてしまいます。

第72回香肌文庫 2012.2.1

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