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香肌文庫 第60回 五臓の好きな味 

東洋医学で言う五臓とは肝・心・脾・肺・腎のことですが、五臓にはそれぞれ好む味があり五味と言います。
五味を摂取することによりそれぞれの臓の働きを助けます。第一回東洋医学の方程式でも書きましたが、
肝=酸味 心=苦味 脾=甘味 肺=辛味 腎=塩味となっています。
肝から順に見ていきますと、肝は酸味を好みます。肝は春に旺盛に働きますから、これからの時期に毎日一個梅干を食すことは非常に理にかなっています。
心は苦味を好みます。瓜や葉の苦味です。心が旺盛に働く夏に自然が与えてくれます。ちなみに薬というもは苦い味がしますが、多くの薬は心臓の力を借りて効果を出しているものと思われます。
脾は甘味です。この甘は米をよく噛んで感じる炭水化物のほのかな甘味です。脾は他の臓の土台となっているため、この甘味が他の味より比較的多めに必要となります。最近はダイエットのためにおかずだけ食べて炭水化物を抜く女性がいますが、最も必要なものを抜いていることになります。“主食”という言葉通りです。
肺は辛味を好みます。唐辛子も肺が旺盛になる秋に合わせて辛くなってくれます。風邪を引いた時に食すと肺
を助け早く治ります。韓国の人は辛い物を食べるから肌が綺麗と言われていますが、なるほど東洋医学では肌
は肺が司るとしています。
腎は塩味を好みます。腎は余分な水分を吸収し尿として排泄します。塩が野菜などの水分を吸収する作用と同じです。このため塩味は腎の働きを助けます。 腎臓病では腎を静かにさせるため塩分が禁物となりますが、本来塩味は腎に必要不可欠なものです。健康な人が極端に減塩するのは良くありません。

五味を食事でバランスよく摂取することが大切なのですが、取りすぎると反対にその臓を傷めてしまいます。
例えば肝は酸味を好みますが、過剰に摂取しますと肝を傷めてしまうのです。最初は他の臓が負担を引き受けるのですが、廻りまわって自分に来ます。他の味と臓の関係も同じです。
人間も「好きなもので死ぬ」と言われています。酒好きは酒で死に、仕事人間は仕事で死に、お金の好きな人はお金で死に、女性好きは女性で死にます。好きなものは活力剤になりますが、過ぎると命取りにもなるのです。 良いか悪いかはその人の人生観ですが。

第60回香肌文庫 2011.2.1

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