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香肌文庫 第49回 便秘について 

小学生の頃学校に「歯を磨こう 顔を洗おう ウンコをしよう」というポスターが貼ってあったのを覚えています。これは規則正しい生活習慣を教えるためのものですが、歯を磨いたり顔を洗うのと同様に排便も毎日あるのが正しいかのように習慣付けられました。このせいで現在も私達の多くは毎日排便がないのは便秘症と思い込むようになってしまいました。しかしこの習慣は学校教育の中で叫ばれたものであって、医学では「毎日排便がないのは便秘」という定義はないそうです。確かに毎日排便がある人の方が多いのかもしれませんが、例え2日や3日に一回でも形の良い大便が出て快適に過ごしているのなら何ら問題はないようです。私達鍼灸師は体質をいくつかに分けて診断するのですが、体質特有として、健康でも排便の回数が少ない体質というのがあります。中年以降で急に排便のリズムが変化した場合は大腸検査が必要と言えますが、それ以外は「出ない出ない」という心理的不安はかえって排便を遠ざけます。どこかの医学書にも「便秘によって病気が起こることはないが、神経質になりすぎることが病気を生み出す」と書いてありました。

今回は便秘についてですが、ここではいつもコロコロの硬い便しか出ない人や何日も排便がないことにより腹部の不調を訴える人を便秘症と呼ぶことにします。
便秘を治す方法というとすぐに食物繊維の摂取を連想する人が多いと思いますが、これで解決しない人も多いのではないでしょうか。そこで便秘も鍼灸の適応症ではありますが、まずは下記のお金がかからない方法から試してみて下さい。

脂肪(油)を摂る。
ダイエットで油抜きをしている人や不足がちな人は試してみて下さい。脂肪を摂るということは成分的に考えますと石けん浣腸するのと同じ理屈といえます。親しくしている中国人は「私達は料理にゴマ油を使うから便秘が少ない」と言っていました。

甘味の摂りすぎ
以前にも書きましたが、甘いものは消化器官の運動を緩めます。胃ケイレンで砂糖湯を飲んで楽になるのは過緊張した胃が緩むからです。スイーツばかり食べていると大腸の蠕動が緩み便秘になります。

運動不足
ウォーキングなど足の刺激は腸の働きを促します。特に左足が大事で、便秘で左足のダルサを訴える人も結構います。鍼灸でも左足のツボをよく使います。左で片足跳びなんかもいいでしょう。

ストレス発散
旅行など環境が変わると排便が止まるように腸は非常に精神的作用を受けます。日頃からストレスのある人は便秘になりやすいと言えます。特にイライラなど交感神経が亢進する心境がよくないようです。排便作用は副交感神経優位で働きます。ゆったりと入浴して下さい。

発酵食品
乳酸菌で腸内環境を整えるものです。抗生物質などの薬を服用すると大便生成に必要な菌も減り、便秘になることがあります。こういう場合も摂取が必要になります。発酵食品というとすぐにヨーグルトを考えますが、もっといいものがあります。キムチ、古漬け、納豆、クサヤなど臭い食物です。口臭が気になる食物は臭いの無い素晴らしい大便を作るのです。

第49回香肌文庫 2010.3.1

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