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香肌文庫 第117回 血色を見る

鍼灸の古典を読んでいてあることに気づきました。それは「血色を診よ」という文句が何かにつけ頻繁に出てくるということです。
「血色を診よ」とは「顔の色艶を診よ」ということですが、これは治療後に痛みが取れたかどうか?腕が挙がるようになったか?などのことよりも最優先して確認すべきことだったのです。
これまで軽く見過ごしてきた文句でしたが、治療にあたっての刺激量の決定や治療が成功したのかどうかを確認するのに絶対不可欠なこと故、繰り返し書かれていたのです。
手相を見る場合でもすぐに生命線や頭脳線などの掌紋を気にしますが、手の血色を見ることの方が重要なのです。長く伸びた頭脳線を見て「あなたはすごく賢いですよ!」と言えるのは血色の良い場合であり、もし頭脳線が長くても血色が悪ければ、「あれこれ頭で考え過ぎては何も出来ませんよ」と言う方が当たります。
また、努力線が表れているのを見て「あなたがんばってますねえ~偉い!」などと言っても、血色が良ければ差し支えありませんが、努力線が表れていても血色が悪ければ「あれもこれもと焦り過ぎては体を壊しますよ、たまにはサボりましょうよ。」と言ってあげる方が当たりでその人も救われます。

このように血色を見るということはその人の現在を知ることであり、最優先すべきことなのです。
例え医学的に問題ないとされる薬でも、健康に良いとされるサプリメントでも相性があり、その人に合わなければ副作用は感じなくても必ず血色が悪くなります。世のため人のために行う慈善活動や宗教活動でさえも無理があったり、その場に必要とされていないなら必ず表情が曇り、血色が悪くなります。情けとか修行などと考えずにすぐやめるべきです。何かしたいなら自分流の人助けがあるはずです。血色の良否は、良い行いか悪い行いかではなく、合うか合わないかで決まります。
自分に合っていることをしていれば鏡を覗いても表情が明るく、他人からもイキイキと見えますよ。

第117回香肌文庫 2015.11.1

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