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香肌文庫 第114回 同系統

病には治りやすいものと治り難いものがあります。鍼灸の臨床で言えば、その病気で使うツボがその人の体質と同系統のツボなら治りやすいのですが、別系統のツボなら使用しても効果が少ないのです。ちょっと難しいので分かりやすく言いますと、鍼灸で言う「肺体質」の人が肺病になっても予後良好ですが、腎臓病になってしまったら予後不良です。それは肺体質には肺のツボが同系で効きやすいが、腎臓のツボは別系統なので直接使用できなかったり、効き難いということなのです。IT製品のような体とツボとの互換性です。
もう一つの例として、「私は腰が痛くなるときは右が多い」とか「左側の片頭痛になりやすい」というように、人は大抵が右型か左型のどちらかに属するのですが、
第12回「右型人間と左型人間」参照
もし、このパターンが逆になった場合は治り難いということが言えるのです。いつも右側の腰がくなる人が珍しく左側の腰に症状が出ると、ただの腰痛ではない可能性もあります。
西洋医学の治療でも、同じ癌で助かる人と助からない人がいますが、もしかしたら体質と侵された臓器が同系であるかどうかの違いが治癒率に関係しているのかも知れません。

話は変わりますが、千葉の香肌治療院では、安全祈願として近くの船橋大神宮のお札を祀っていました。
そして現在のカササギ堂でも、近くにある松阪神社へお札を授かりに行ったのですが、そこでびっくりしました。なんと距離にして400キロ近くも離れたこの二つの神社は、祭神が違うのに元の社名が同じなのです。
船橋大神宮の方は元の名を意富比(おおひ)神社。松阪神社の方は意悲(おい)神社と言います。少し字は違いますが、漢字などは後々から音に合わせて付けますから、間違いなく同じ系統の神社だったと思います。
古代史を調べると諸説あるのですが、意宇(おう)族という出雲系の古代氏族が祀った神のようです。多、太、飯富などと記されることもあります。
現在の船橋大神宮は出雲系ではなく伊勢神宮の神、松阪神社も純粋な出雲系ではなく別の系統と合祀されています。ある古代史家が言うには、神社というものは後から来た別の民族が祭神を自分たちの崇める神に変えたり加えたりして、二重構造になっている場合も多いそうです。最初は船橋も松阪も同じ神が祀られた社だったのでしょうか。場所が遠く離れても、同じ系統の神様に守られているような不思議さを感じています。


第114回香肌文庫 2015.8.1

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