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香肌文庫 第149回 色白は七難隠す

雇われ鍼灸師として勤務していた時代、最寄り駅からバスに乗っていたのですが、同じ路線に養護学校があるためダウン症の子供たちとよく乗り合わせになりました。
ダウン症の子たちは概して性格が穏やか、いつも笑顔でいます。医学的には染色体異常、社会的には障害児とされてしまいますが、人間的には清純です。
見方を変えて定義するなら、ダウン症とは人間の持つ「度し難き部分」が無い姿といえるかもしれません。

私たちは誰にでも能力や生活において欠点があります。そしてそれを埋めることが良いと思い努めますが、
実は欠点は長所の代償になっているのです。例えば天才的な芸術家の多くは、一般的な道徳や常識にまったく欠如している人や家庭的な幸せに恵まれない人がほとんどです。もしこれら天才たちが幸せな家庭を手に入れたり、世間の人たちに足並みを揃えようものならその作風は一変して無味乾燥になるでしょう。欠点を穴埋めしようとすると長所に影響するのです。

子供を見ていても、人の頭になる素質を持った子というのは大ざっぱなところがあり、片づけも苦手です。忘れ物もよくします。これは決して阿呆などではなく、視野が広いことを表しています。しかし学校では几帳面で整理整頓が出来る子を優良として、それに従わせようとします。もちろん最低限の指導は必要ですが、広い視野を持った子に細かい視野を要求し過ぎるとストレスになり、頭領性が失われる可能性もあります。
人間は日々向上すべきとは思いますが、それは欠点を埋めることよりも、長所を引き延ばすことに重点を置くべきです。「色白は七難隠す」と言われるように、抜きんでた長所があれば少々の欠点など御赦免となるので心配いりません。日本は治安が良く真面目な国ですが、諸外国に比べて何か無味乾燥に感じるのは、平均化された人間で埋め尽くされているせいかもしれません。
現代において増加の一途を辿るうつ病なども、何もかも平均化しようとすることに問題があります。
※第98回「小腸に見習う」


日本鍼灸の祖である杉山和一は、あまりの不器用さに師匠から破門されたのですが、だからこそ痛みを与えずに簡単に鍼を刺せる管鍼法というものを考案できたのです。そして日本鍼灸は戦後の一時期、盲人にのみ与えられた職業だったのですが、晴眼者にはないその研ぎ澄まされた手指感覚により、本場の中国以上に医療の原点とも言える触診技術が発展しました。日本鍼灸も欠点を代償に長所を生かした先人たちによって成立したのです。
 ※第19回「日本流鍼の祖 杉山和一」

2018.7.1

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