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香肌文庫 第133回 衰えて現れる 


一昔前までは神通力?を持ったお婆ちゃんが土地々々に存在していたものです。

顔を見るなり、「あんたお風呂の改装しとるやろ?今は絶対やったらアカンよ」

「敷地内にほったらかしのお稲荷さんがあるはずや、それが災いしとる」

確認するとお婆ちゃんの言う通りであり、お婆ちゃんから言われたことを守ると災いが

去り、救われたというのです。

最近はそんなお婆ちゃんの噂すら聞かなくなってしまいましたが、あのお婆ちゃん達は

いったい何者だったのでしょうか? 

実はこのような神通力を持ったお婆ちゃん達に共通していることがありました。

それはお婆ちゃん自身が生き地獄のような苦労、凄まじい貧困、生死をさまよう大病など

を経験されているのです。そしてこれらの災難をきっかけに不思議な力が宿ったという

エピソードが多いのです。これはいったいどういうことなのでしょう?


二千年前に書かれた鍼灸の経典『難経』にはこんなことが書かれています。

「…ソレ平和ニシテ見ルコトハデキズ、衰エテハジメテ現レル…」

人によって多少解釈の違いはありますが、これは先月書いた「先天の気」の存在を説明

しているのです。第132回「先天の気と後天の気」

つまり、人が生まれながらに備わっている先天の気(潜在的な力)というものは、後天の気

(日常取り入れる体力や能力)が充実しているとその陰に隠れて姿を見せないが、後天の気

が衰えることで、その働きが表立ってくると説明しているのです。

『難経』は医学の経典ですから神通力のことを言っているわけではありませんが、神通力の

授かったお婆ちゃんは生き地獄や生死の境をさ迷い、後天の気が極限にまで衰えた結果、

先天の気に宿っていた特殊能力にスイッチが入ったと考えられるのです。

最近になってこのようなお婆ちゃんがいなくなったのも、後天の気を十二分に補える

豊かな時代になったからと言えます。

それと、なぜ神通力を持つのはお婆ちゃんばかりでお爺ちゃんはいないのか不思議ですが、

男は思考的、女は感性的、つまり男は後天的要素の強い動物で女は先天的要素の強い動物

と言えるからだと思います。これは生物学的にも言われていることです。

確かに卑弥呼も恐山のイタコも木村藤子さんも、霊能者は全て女性です。


もちろん、衰えれば誰もが神通力を得られるわけではありませんが、誰でも持っている

先天の気の力として病に対する「自然治癒力」があります。これも「衰えて現れる」です。

自然治癒力がなくなった状態が先天の気が絶えたことであり、死となります。

他にも、人は誰でも年をとってくると顔や動作が親(先天)そっくりに似てきますが、これも

衰えて(年取って)現れると言えるでしょう。

また、肉が衰えると骨が目立ってきますが、東洋医学で肉は後天の気、骨は先天の気

が司る代表的な組織となっています。前回、周易や太占は「先天の気に委ねる占い」と説明

しましたが、その占いに獣骨を使ったのも意味深です。


そして人生も「衰えて現れる」、どん底に落ちなければ得られないことってありますね。

最後になりますが、なんと最近家内にも先天の気に潜んでいた能力が現れてきたのです。

それは節約レシピが得意になり、なかなかの腕前なのです…。

財布の中が衰えたせいで、特殊能力が現れてきた可能性があります…((◎_◎;))。


                    2017.3.1